花びらは散っても・・・
花びらは散っても花は散らない
形は滅びても人は死なぬ
先日、造幣局での花見から都島へ夕食に向かいました。
創業40年以上
大阪市都島区で営業している老舗イタリアンレストラン
ですが店の雰囲気は私が知っている20年前からほとんど変わっていません。
訪ねると、お店のママさんは毎回元気で愛想よく出迎えてくれます。
私にとっては温かくて、懐かしい時間を過ごさせてくれる素敵なお店です。
ただその日ママさんは何だかよそよそしく、いつもの感じではありませんでした。
テーブルに注文を取りに来ても、別段会話もなく
久し振りなので忘れられてしまったのかな。
でもオーダーしたビールをテーブルにおいてもらった後
ママさんから、昨年の春にマスターが亡くなったと告げられました。
「えっ?」
何とか続きの言葉を出そうとしましたが
とっさの話で立ち上がってしまい、そのまま席に座ることも忘れて。
二十歳の頃、数年間でしたが仕事を共にさせていただき
仕事をする喜び・楽しみを学ばせていただいた
そして人と接することの大切さをまさに体感で気づかせてくれた
自分にとって人生の最大の恩師といえる方。
当時からわが子と隔てなく可愛がっていただき、かれこれ25年以上お付き合いをいただく
故郷の父親のような存在でした。
毎年数回、ご挨拶に伺っていましたがここ数年は忙しさにかまけて
また個人的な理由で伺うことができず、行こうと思えばいつでも顔を出しに行けるからなんて考えてもいたので。
3年前のクリスマスに訪ねてからは特に連絡も取らずにいてしまった。
その間に、まさかそんなことになってしまっていたとは・・・
そんな、お礼の言葉だって伝えるどころかまだ何も恩返しできてないし
せめて挨拶くらいはさせてもらわないと
感情の整理はつかないまま、ワインを数杯おかわりして
いつものパスタをいただきました。
食事を済ませ店を離れる際、笑顔で見送ってくれるママさんからの握手と
「ガンバルからまた来てね」の言葉に
「親不孝して申し訳ありませんでした」
と絞り出し、頭を下げるのがやっとでした。
冒頭の文章は某宗教家のことば かみしめて
営業:米田